美食家がかかる病気と言われた痛風は、かつて日本では稀な病気でした。しかし、飽食の時代と言われる現代では痛風は一般的な病気になりました。
痛風は、尿酸という物質が体の中にたくさんたまってきてそれが溶けきれずに針状の結晶になり、体内を巡りながら関節にたまって炎症を起こし、やがて激痛が起きる(これを痛風発作と言います。)病気です。
痛風発作の80%が足の親指の付け根に起こります。その痛みは激しく歩くことが困難になるほどです。しかし、尿酸値が、正常より高いのに症状が出ない状態が1〜5年続くことが多く、痛風の発作は、このような高尿酸血症を基にして起こります。尿酸値とは、血液1dl中に含まれる尿酸のmg数です。痛風の患者さんは圧倒的に男性に多く(しかも30〜40歳代に多い)、正常値も男性が3.5〜7.9mg/dl、女性が2.6〜6.0mg/dlと男性の方が高く、これには性ホルモンが影響していると考えられています。しかしながら、いずれも7.0mg/dl以上を注意すべき値とされています。


  1. アルコールの摂り過ぎ
    アルコールは、酒の種類に関係なく腎臓からの尿酸の排泄を抑えたり、体内での尿酸の生成を促します。

  2. 肥満
    肥満してくると尿酸値は、必ず上がります。

  3. ストレス
  4. 遺伝的なもの

    などがあげられます。


痛風の治療は、食事指導が中心ですが、症状によって薬物療法も行います。痛風発作が起きた時は、鎮痛剤などで痛みを取りますが、痛風の治療薬としては、大きく分けて次の2種類があります。


[1]尿酸の排泄を促す薬
[2]尿酸の生成を抑える薬

これらの薬によって、尿酸値を一定にコントロールします。ですから、指示された薬は、時間を守り、決められた量をきちんと服用することが大切です。また、痛風の薬は、多めの水で服用するようにします。
食事療法

  1. 尿酸は「プリン体」という物質からつくられます。ですからプリン体を多く含む食品(ビールや肉類、動物の内臓など)を多量に食べない。
  2. 動物性脂肪食を減らし、植物性のたん白質、脂肪を多く摂る。
  3. アルカリ性食品(野菜、果物、海草類など)を摂る。
    尿酸は酸性が強いと結晶になりやすいので尿をアルカリ性にして尿酸の結晶化を防ぎます。
  4. 水分を十分に摂る。
    尿量を増やして尿酸を排泄しやすくします。1日の尿量は2リットル位が理想です。
  5. 酒量を減らす。
  6. 肥満しないように注意する。
    プリン体の多いものや、カロリーの高いものなどの過食は避けて、肥満しないように気を付けなければいけませんが、質的にはバランス良く、まんべんなく食べることが大切です。
    痛風は、一生尿酸値をコントロールしなければなりません。痛風発作が起きないからといって勝手に通院を止めたり、薬の服用を止めたりしてはいけません。尿酸値を下げるように自己管理するとともに、必ず医師の指示に従って下さい。

尿酸を測ることで、食事に注意するなどの対策をとり、痛風になるのを未然に防ぐことが出来ます。健康診断を少なくとも年に1回は受けて、痛風のみならず、他の成人病(高血圧、糖尿病など)についても十分チェックすることが大切です。

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