症状 |
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■ | 朝のこわばり
朝起きた時に、手足の関節や全身の動きがぎこちなく感じます。
| ■ | 複数の関節が痛む
リウマチは全身の病気なので、痛みなどの症状が複数の関節に現れ、体の左側と右側の同じ関節というように、左右対称に出ます。
| ■ | 手足の痛み、腫れる
関節の炎症によって手足に痛みや腫れが生じます。症状は小さな指の関節から始まることが多く、やがて手首、足首、肘、膝へと徐々に大きな関節へと範囲が広がります。
| ■ | 全身症状
病気が進行すると、微熱が続く、疲れやすい、食欲不振などの症状を伴います。また、貧血になったり、骨が弱くなったりすることもあります。
| ■ | 皮下結節
手首、肘、膝などの外側に「皮下結節」と呼ばれる小さなしこりができることがあります。
| ■ | 合併症
炎症が血管に及び、「血管炎」や「間質性肺炎」などを合併することもあります。
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病気の進行 |
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関節は骨と軟骨でできており、「関節包」で包まれています。その内側に「滑膜」という組織があり、関節をスムーズに動かすための潤滑油の役割をする「関節液」を作っています。リウマチでは、この滑膜に炎症が起きます。炎症を起こした滑膜は増殖し、やがて軟骨や骨を侵食してついには関節を破壊し、関節の変形が起こります。 | ■関節破壊の仕組み
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検査 |
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血液検査でリウマトイド因子と呼ばれる自己抗体の有無や、CRP値(炎症が起きると増える特殊なたんぱく質)、血沈(炎症が起きると赤血球の沈み方が速くなる)などを調べ、炎症の有無や程度を判断します。また、関節の状態をX線検査で詳しく調べます。
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治療 |
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リウマチの治療の目標は痛みを緩和し、関節の変形を防ぎ、機能を保つことです。治療は、症状によって、薬物療法、基礎療法(日常生活の注意)、理学療法、手術療法の4つを上手く組み合わせて行います。
[1] | 薬物療法
主に次の薬を組み合わせて治療を行いますが、症状に合わせて副作用の少ない順番に使用したり、使用期間を変えたりします。
●非ステロイド系抗炎症薬 炎症を鎮め、痛みを和らげます。速効性があり、多くの患者さんに使われます。
●抗リウマチ薬(免疫調整薬) 免疫の異常を調整して炎症を抑えようとする薬です。遅効性で、効果が現れるまでに2〜3ヶ月かかります。
●副腎皮質ステロイド薬 炎症を抑えたり、免疫反応を抑制します。優れた抗炎症作用を持ち、速効性はありますが、感染症にかかりやすくなったり、骨のカルシウムを減るという副作用があります。
●免疫抑制薬 免疫機能を抑えますが、遅効性で、貧血や白血球の減少という副作用があります。
| [2] | 基礎療法(日常生活の注意)
●関節を保護する 関節に負担をかけない道具や住まいを工夫します。柄を太くした食器や柄を長くしたブラシなどの市販の自助具を利用したり、家の段差を無くし、手すりをつけると動作が楽になります。
●悪化の要因を避ける 冷えや湿気、風邪などの感染症、過労、ストレスなどを避けるように心がけましょう。
●バランスの良い食事 貧血や骨がもろくなったり、筋肉が弱るのを防ぐために鉄分やカルシウム、たんぱく質を十分にとり、バランスの良い食事を心がけましょう。しかし肥満は膝などに負担がかかるので太りすぎには注意して下さい。
| [3] | 理学療法
一般に「リハビリテーション」と呼ばれ、主治医や理学療法士の指示に従って関節の曲げ伸ばし運動などを行い、関節の機能を保持したり、関節に負担をかけずに筋力をつけます。
| [4] | 手術療法
関節の炎症が持続し機能障害が起こった時は、増殖した滑膜を切除したり、人工関節に置き換えたり、金属プレートを入れて関節を固定したりする手術が行われます。 |
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リウマチは最近では薬や手術で症状をかなり軽減できるようになっています。関節に負担をかけない工夫をしながら、体調に合った生活を自己管理することも大切です。また、リウマチは早い段階から適切な治療を始めれば病気の進行をかなり抑えることができます。朝のこわばりなど、気になる症状があったら早めに専門医(リウマチ科、内科、整形外科など)を受診するようにしましょう。 |
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