■副鼻腔炎とは
ウィルスや細菌による急性上気道炎(かぜ)に続いておこる副鼻腔の粘膜の炎症をいいます。ほとんどは4週間前後までの治療で治る急性副鼻腔炎ですが、症状が続いたり、そのままで固まってしまうと、慢性副鼻腔炎(蓄膿〜ちくのう〜)になります。他にも、歯が悪くておこる歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)、カビによっておこる真菌性(しんきんせい)上顎洞炎があります。
副鼻腔は4種類あり、目と目の間にあるのが篩骨洞(しこつどう)、おでこにあるのが前頭洞(ぜんとうどう)、頬の下にあるのが上顎洞(じょうがくどう)、鼻腔の奥にあるのが蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)といいます。全ての副鼻腔は小さな通路で鼻腔(びくう)とつながっています。

■副鼻腔炎の検査
1)汚い鼻汁が出ていないか、粘膜が腫れていないか、鼻の中をみます。
2)レントゲン写真で副鼻腔の粘膜が腫れていないか、膿みがたまっていないかをみます。


急性副鼻腔炎の症状

風邪をひいたあとなどに
頭の痛み、頭の重い感じ
頬の痛み、歯の痛み、目の奥の痛み
臭いのある鼻汁、膿みのような黄色い鼻汁
(のどの方に流れることもある)
鼻づまり
などがみられます。

急性副鼻腔炎の治療
1)薬の内服が主となります。
抗生剤 (細菌を殺すため)
蛋白分解酵素 (膿みを排せつしやすくするため)
消炎鎮痛剤 (炎症や痛みを抑えるため)
2)鼻のネブライザー
鼻を処置して、鼻汁をきれいに取ってから、霧状の薬を直接鼻の粘膜にかけます。
3)上顎洞穿刺
症状が強い場合や、上記の治療でも全く改善のない場合は上顎洞に針を刺して洞内の膿みを吸い出したり、中を洗い流したりします。


慢性副鼻腔炎の症状
鼻づまり
鼻の粘膜の腫れや、鼻茸によるものです。
鼻汁
粘りがあり、膿みのような鼻汁です。のどへ流れることもあります。
臭いがわからない
鼻の上方にある臭いを感じる神経が、鼻茸や粘膜の腫れ、鼻汁によってふさがれるために臭いを感じにくくなります。
頭重感、頭痛、頬の痛み、目の奥の痛みなど
慢性副鼻腔炎の治療
1)薬物療法
最初は、薬を飲むことと、鼻のネブライザーをします。薬は急性期には効果もありますが、経過が長い時や、症状が固まった状態では効果が出にくいといわれています。マクロライド系の抗生剤を少量長期投与(約3ヶ月間)することで粘膜に良い影響があるといわれており、現在ではこの方法が一般に用いられています。3ヶ月経過しても症状が良くならなかったり、CTやレントゲン写真でも軽快が見られない場合は、年齢や他の病気などを踏まえた上で手術をすすめています。
2)鼻内内視鏡手術
副鼻腔を局所麻酔して、鼻の中にカメラを入れて、細かいところを観察しながら副鼻腔の粘膜を炎症がおこる前の状態に近づけるように手術を行います。
3)上顎洞根本術
歯肉の上を切開した後、上顎洞内を掃除して、鼻腔と交通をつけ、分泌物がうまく流れるようにする手術です。
4)前頭洞手術
眉毛から鼻の根元にかけて切開し、前頭洞内をきれいにします。2)3)4)の手術をした後は、粘膜もすぐに元のとおりにはなりませんので、約6ヶ月間ほど治る様子を観察しながら内服やネブライザーで加療します。順調に経過すれば薬も徐々に減らし、約6ヶ月で落ち着いた状態になります。
5)鼻茸切除術
鼻茸を切除して鼻づまりを軽減します。根治的な手術ではないので再発しやすい。

慢性副鼻腔炎は、治るまでに長期間を要することが多く、通院回数も多くなります。
途中であきらめないで、気長に治療することが大切です。

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