膀胱炎は殆どの場合、細菌の感染によって起こります。
女性に多く見られ、女性の5人に1人は一生に1度はかかると言われています。

膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起こる病気です。ウィルスや薬剤(ある種の抗がん剤や喘息の薬など)が原因となることもありますが、殆どの場合、大腸菌などの細 菌の感染(原因となる細菌の約80%は大腸菌)によって起こります。膀胱炎をはじめとする尿路感染症の発症率は、女性の方が圧倒的に多く、女性は20才代 以降増加し、男性は40才代以降に発症しやすくなります。女性に多いのは、
[1] 尿道が短い[2] 外尿道口が肛門や膣の近くにあることによります。



男性の尿道は17~20cmと長く、細菌が進入しても膀胱にたどり着く前に排尿により外に流される可能性が高くなります。また、前立腺の分泌液には細菌の侵 入を防ぐ働きがあります。一方、女性の尿道は4~5cmと短く、まっすぐなため、尿道に入った細菌が膀胱まで侵入しやすくなります。また、女性の尿道口は 肛門や膣の近くにあるため、男性に比べると尿道に細菌が入る機会が多くなります。しかしながら、尿や膀胱には感染を防ぐいろいろな防御機構があるので、細 菌が侵入しただけで膀胱炎に必ずかかるわけではありません。長時間排尿を我慢したり、便秘、風邪、過労や体の冷えなどで体の抵抗力が低下すると発症しやす くなります。また、高齢になると膀胱の収縮力が衰えるため、尿が排出しきれずに膀胱内に残り細菌が繁殖しやすくなります。中年以降の男性に起こる前立腺肥 大症では、尿の勢いが弱く排尿に時間がかかり、排尿後も膀胱に尿が残り、細菌が増殖し膀胱炎を引き起こします。

症 状

残尿感
排尿後も尿が残ったような感じ、すっきりしません。膀胱炎になった人が初めに気づく症状です。
頻尿
通常の排尿回数は1日5~6回ですが、膀胱炎になると、1回の尿量は少なく、残尿感があるため、昼夜を問わず頻繁にトイレに行くようになります。これは、膀胱の粘膜がむくんだり、膀胱の知覚神経が過敏になるためです。
排尿痛・不快感
特に排尿の終了時に強い痛みを感じます。
下腹部の痛みや腰痛
尿意切迫感
膀胱の知覚神経が過敏になると、一度尿意を催すと我慢できなくなります。
混濁尿、血尿
尿中に白血球などが出てくるため、尿が白っぽく濁ります。血尿が出たり、排尿後出血が見られたりします。膀胱炎が軽いうちは尿の濁りも血尿も分からないほどですが、症状が進むと肉眼でも分かるようになります。(肉眼で血尿が分かるのは患者さんの約30%に見られます)
膀胱炎で熱が出ることはありますが、38℃以上の高熱が出ることはあまりありません。膀胱炎の症状に加えて、高熱が出た時は、腎盂腎炎などの他の病気が疑われます。

検 査

検尿で尿中の白血球数を調べたり、尿の培養を行って細菌の種類を調べます。


治 療

抗菌薬(抗生物質)を3~7日間服用します。膀胱炎は治りやすく、2~3日の服用で症状は殆ど消えます。しかし、細菌が残っていることが多いので、医師の指 示があるまで薬の服用をやめてはいけません。薬を服用しても良くならない時は薬の種類があっていないか、他に尿路の病気がある可能性もありますので医師に 相談してください。


治療中の注意
水分を多くとる
尿量が増え、細菌が洗い流されます。
コーヒー、紅茶、アルコールなどの刺激の強いものは控える。
下腹部を冷やさない。
予 防
水分を多くとる
排尿を我慢しない
膀胱内に尿が溜まったままだと細菌が繁殖しやすくなり、また、膀胱の血液の流れも悪くなって細菌の感染を防ぐ機能が低下します。
外陰部を清潔に保つ
特に女性は、性交、排便後、月経時などは細菌に感染しやすいと言えます。性交後に排尿する、排便後は前から後ろに拭く、月経中も入浴するなど清潔に保つことが大切です。
体を疲れさせない、特に下半身を冷やさない
疲労したり、冷えで血行が悪くなると、細菌に対する抵抗力が低下します。
膀胱炎を繰り返すときは、腎臓、尿管、前立腺などに他の病気が潜んでいる場合があります。そのような場合は、専門医を受診し、適切な治療を受けることが大切です。





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