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女性や高齢者に多く「歳のせい」とあきらめがちな尿失禁。しかし最近は、高齢化社会や女性の社会進出などで尿失禁に対する関心は非常に高まってきました。女性の5人に1人は尿失禁の経験を持っていると言われています。 普通は、排尿をしたくなる感じ(尿意)が強くなるまで、膀胱はむやみに縮んで尿を押し出すことはしません。体には、いくつも安全装置があり、尿は簡単には漏れないようになっています。この安全装置が何らかの原因で故障すると、尿が自分の意志に関係なく漏れてしまいます。これが『尿失禁』です。
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尿失禁の種類 |
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[ 腹圧性尿失禁 ] 咳やくしゃみをする。重いものを持つ、スポーツをするなど、お腹に力が入った時に漏れるタイプ。尿失禁の約7割を占め、圧倒的に女性に多く見られます。女性の尿道は、4〜5cmと男性の1/4の長さで短く、まっすぐなので排尿を我慢するのに不利な構造です。 さらに、尿道を閉じるために役立っている骨盤底筋群(骨盤内の内臓を支えている筋肉)も男性より弱いうえに、これらの筋肉が特に出産で痛められます。そのために、お腹に力がかかると、膀胱が圧迫され、尿が閉じる力の弱った尿道を通って流れてしまいます。妊娠、出産の他、老化や肥満、便秘などが原因となることもあります。
[ 切迫性尿失禁 ] 尿意を感じてトイレに行くまで我慢出来ずに漏れるタイプ。 膀胱が過剰に敏感だったり、脳血管障害(脳出血、脳硬塞や脳腫瘍など)で、大脳が排尿の許可をだし庭内のにもかかわらず、膀胱が勝手に収縮して漏れてしまいます。 また、はっきりした神経の障害がわからないものや、膀胱炎などの炎症の刺激で起こることもあります。
[ 溢流性尿失禁 ] 膀胱に尿が溜まり過ぎて漏れ出すもの。 前立腺肥大症が進行したり、子宮や直腸の手術で膀胱の神経が傷つけられて、神経系がうまく働かなくなったために起こります。
[ 反射性尿失禁 ] 尿意とは関係なく、反射的に尿が出るもの。原因は脊髄の障害です。
[ 機能性尿失禁 ] 膀胱の機能に異常はなく、脳硬塞などで手足が不自由なために間に合わず失禁するもの。
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治療 |
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尿失禁の中で、大半を占める腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁は、 ほとんどが治療可能です。
■ | 腹圧性尿失禁では、骨盤底筋群を鍛える体操が基本になります。
〜骨盤底筋体操〜- リラックスした状態であお向けに寝る。へその下の緊張を緩める。
- 腹筋を使わず、肛門、膣、尿道をお腹の中に吸い込むように強く締める。
- 約5秒間、2の状態を保ち、力を抜く。
1、2、3の手順を1日に50回位行う。 |
この体操は、出産後や、若い人も予防の意味で日常生活に取り入れると良いです。 | この体操を続けると、3ヶ月くらいで効果が現われてきます。が、中止するとまた筋肉が緩むので、その後も継続することが大切です。 薬には、膀胱の筋肉を緩める薬や、尿道を取り囲む括約筋の収縮を高める薬などがあります。体操や薬で治らない場合は、下がった膀胱を吊り上げる手術を行います。
■ | 切迫性尿失禁の治療は、膀胱の収縮を抑える薬や、尿道を締める薬を服用します。その他に肛門周囲や膝の関節の裏などに、弱い電流を流す電流刺激治療があります。骨盤底筋体操も大切です。
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ほんのわずか、下着を汚す程度であれば気にする必要はありませんが、1日に何度も下着を取り替えなければならないとか、パッドを当てないといけないという場合では、日常生活に支障を来します。 ほとんどの尿失禁は治療可能です。一人で悩まず、気軽に泌尿器科を受診するようにして下さい。 |
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