緑内障とは眼圧の上昇により視野が狭くなる病気です。
眼の成人病とも言われ、40才以上の人の約3.5%に何らかの緑内障が見られます。

角膜と水晶体の間、(前房)は房水という水分で満たされています。房水は、水晶体や角膜などの各組織に酸素や栄養を送るとともに、眼の内部の圧力(眼圧)を調節し、眼球を適度な硬さに保つ働きをしています。房水は毛様体でつくられ、後房(虹彩の裏)から前房を通って隅角にあるシュレム管へ排出されます。
何らかの原因で房水の流れが悪くなると、必要以上の房水が溜まり、眼圧が高くなります。眼圧が上昇すると眼球は硬くなり、眼の構造の中で一番弱い部分である視神経が圧迫されて障害を受けます。そして視野が狭くなっていくのが緑内障です。一度欠けてしまった視野は取り戻すことはできません。



緑内障の種類

急性緑内障(閉塞隅角緑内障)

前房が狭いために隅角が狭くなり、房水の流れが悪くなって急激な眼圧上昇が起こり、視神経が侵されてしまいます。夜、電灯の周りに虹が見えたり(虹輪視)、激しい頭痛や眼の痛み、視力障害、吐き気や嘔吐などの症状を起こします。(緑内障発作)。放っておくと数日で失明することもあります。遺伝的な面が強く、中年の女性に多く発症します。



隅角を狭くする原因となる虹彩にレーザーで小さな穴を開けて、房水のバイパスを作り、流れを良くします(虹彩切開)。
慢性緑内障(開放隅角緑内障)

急性の場合とは異なり、隅角は正常で、強い自覚症状は無いのに視野障害、視力障害が徐々に進行します。眼圧値で正常値を超えるものを原発開放隅角緑内障、超えないものを正常眼圧緑内障と言い、後者は体質的に視神経が眼圧の影響を受けやすかったり、眼圧の水準が低いために発症することが原因とされています。



●点眼薬/房水の排出を促す、房水の産生を減らすなどの薬で眼圧を下げます。薬の濃度の低いものから使用し、2種類以上の薬を併用することもあります。最近は、縮瞳作用の無い点眼薬も多く開発され、日中の仕事に差し支えることも少なくなりました。ただし、気管支喘息や重い心臓病の場合には使えない薬もあります。点眼後は、目頭を2〜3分指先で軽く押さえ、薬が全身に行き渡らないようにします。2種類以上の薬を使用する時は、5分以上間をあける、点眼順序を医師の指示通りに守ることなどが大切です。
●内服薬/点眼薬のみでは不十分な効果が得られない時は、房水の産生を抑える内服薬を併用しますが、尿路結石などの副作用があるため長期的には使えません。

薬のみで不十分な場合、房水の排出路であるシュレム管の詰まりをレーザー照射して取ります。それでも眼圧が下がらない場合は、シュレム管を切開して房水の流れを良くします。


先天緑内障

先天的に隅角発育不全があり3才以前に発現します。
続発緑内障

ぶとう膜炎などの眼の病気や薬の副作用によるものです。

緑内障の検査

緑内障は次のような検査によって早期発見をすることが大切です。

●眼圧検査/最近では眼に空気を吹き付け眼のへこみ具合で眼圧を測る空気眼圧計が多く使われます。

●眼底検査/眼に光を当てて眼球の奥にある視神経の様子を見ます。

●視野検査/視野は自分の鼻側から欠け、普段は両目で物を見ているため気付かないことが多いのです。視野狭窄を自覚した時には、症状がかなり進んでいることが少なくありません。視野計を用いて正確に検査します。
日常生活の注意

緑内障と診断された場合、医師の指示通りに定期検診を受け日常生活では次のような事に注意して下さい。
  1. 休養を十分にとりストレスを避ける。
  2. カフェインを含むコーヒー、紅茶やアルコールの飲み過ぎを避け、出来るだけ禁煙を。
  3. 一度に大量の水を飲まない。
  4. 長時間うつむいて仕事をしない。
  5. 映画鑑賞などの長時間、暗所での散瞳を避ける。
  6. 薬には眼圧を上げる作用のあるもの(ほとんどの睡眠薬、風邪薬、血管拡張剤など)があるので、他に薬を服用する場合は必ず医師に相談をする。
  7. 癖になるなど、他人からの言葉に惑わされず、医師の指示に従うことが大切。

眠りは、心身の休息と疲労回復にとって大切なものです。
緑内障は40才代から増え始める傾向があります。
電灯の周りに虹が見える、まぶたの上から触れると眼球が固く感じる、目がうるむ、かすむ、目のあたりがうっとうしいなどの自覚症状が早期発見のポイントです。
眼精疲労や老眼のせいと軽く考えずに、眼科を受診することが大切です。

不眠症 ウィルス性肝炎


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