おくすりQ&A

特定の薬について―

OKUSURI Q&A

 

これは、抗生物質の血中濃度をある一定時間、病原菌に対して、有効な濃度に保つためです。抗生物質の血中濃度が、病原菌に対して効き目が無くなる頃に、再び服用するわけです。 ただし、風邪などで症状がそれほど重くない時は、夜中に起きて服用するほどのことはありません。安静の方が大切な場合もありますから、医師に相談して下さい。 抗生物質の種類によって、服用時間はさまざまです。最近では、1日3回食後に飲んだ方が効果のあるものや、1日1回の服用で1日中有効な血中濃度を保つものも開発されています。

" 抗生物質は、6時間おきとか8時間おきに飲むように指示されることが多いのですが、これは何故ですか。 "

薬は、効き目が現われるまで、30~60分位かかるものもあります。屯服薬は一度飲んだら4~6時間位、間をあけるようにして下さい。解熱の坐薬も同様に次回の使用は4~6時間後にして下さい。

屯服の薬を1回飲んで治らない時、すぐにもう一度飲んでもよいでしょうか。また、解熱の座薬を1回使用して熱が下がらない時、すぐにもう一度使用してもよいでしょうか ?

坐薬は、肛門に入れた後、直腸に入り、直腸内で溶けます。溶けた薬は、直腸の粘膜から吸収されて血液の中に入り、血流と共に体内を移動し、脳内の体温を調節する所(体温中枢)へ働いて熱を下げます。 飲み薬よりも効き目が速く、薬を飲ませることが難しい乳幼児に使いやすいなどの利点があります。

" 熱冷ましの坐薬は、肛門に入れた後、どのように体の中で働くのですか ? "

ビタミンには、水溶性と脂溶性のものがあります。大量摂取した場合、余分なものは、水溶性ビタミンの場合は尿へ排泄されますが、脂溶性ビタミンでは体内に蓄積し、過剰症が生じることがあります。 症状としては、食欲不振、頭痛、悪心、嘔吐、などがあります。 ところが、脂溶性ビタミン(A、D、E、Kの4種)のうち、ビタミンEだけは、過剰摂取しても過剰症の心配は無いと言われています。ビタミン剤だからといって、自己判断で大量に摂るのは良くありません。その人の症状、目的にあった服用法、服用量を守ることが大切です。

"ビタミン剤の過剰摂取は良くないと聞きました。何故ですか ? "

人の腸はカルシウムの吸収を自分で調節できます。足りなければよく吸収し、多過ぎれば吸収せずにそのまま排泄してしまいます。足りない弊害はあっても、摂り過ぎて結石や動脈硬化の原因になることは、通常ありません。 ただまれに、腸がこうした調節を出来ない人がいます。このような特殊な体質の人は、カルシウムが血液に入るので、多過ぎると結石になる可能性もあります。今までに腎臓結石が出来たことがある場合は、結石の出来る原因を調べてもらうと良いでしょう。

" 骨粗鬆症の治療のためカルシウム剤を飲んでいますが、長く飲むと、腎臓結石が出来たり、血管がつまったりすることがあると聞きました。大丈夫でしょうか ? "

狭心症の発作が起きた時、発作を抑える薬としてニトログリセリン錠がありますが、ニトログリセリン自体は液体で、非常に揮発しやすく、放置しておくと、8日後には約4分の1に減ってしまう薬物なのです。 このような事から、容器を開けたら服用後すぐにフタをきちんと閉め、冷所に置くようにして下さい。また、綿や紙などは、ニトログリセリンを吸収して効果を下 げる原因になるので、容器の中に入れたりしてはいけません。一度開封したら、一応の目安として3ヶ月以上経過したものは、効果が低下する恐れがあるので、 新しい薬に取り替えなくてはいけません。(使用開始日を容器に記入するとよい)舌下投与した時、チリチリとしないものは効果が低下したと考えてよいでしょ う。 持ち歩く際は身体に密着させず、財布やバッグの中、衣類のポケットに入れる時は、内側は避け外側に入れるようにして下さい。 発作の少ない症状において最近は、約2年間は効果が低下せず、バラで持ち歩きが出来るシールに入った安定性の良い製剤もあります。

" 狭心症のため、ニトログリセリン錠を服用しています。保存の際、また、持ち歩く際に気をつけなければいけないことがありますか? "

この場合、食後すぐに服用することによって血糖値を一定に保つためですので、医師に指示されたように、食事を決められた時間に摂り、薬をきちんと飲むように して下さい。また、食事を抜いて薬を飲むと、血糖値が下がり過ぎるということが起こります。これは低血糖と言い、急に空腹を感じたり、力が抜けたように なったり、さらに進むと胸がドキドキしたり、冷や汗が多く出たりします。 この薬の服用中、食事の時間がいつもより遅くなった時などにも低血糖になることがあります。 低血糖の症状が起きた時のために、ブドウ糖や角砂糖などを携帯すると良いでしょう。

" 糖尿病の薬は食事したすぐ後に飲むように言われましたが、食事を抜いた時は飲まなくても良いでしょうか? "

鉄欠乏性貧血の場合、不足している鉄分を補うために鉄剤が処方されますが、タンニン酸を含有するお茶やコーヒーと摂取しますと、鉄剤の吸収を阻害することが あるため、投与時及びその前後には摂取を避ける方が良いと元来言われてきました。しかし、近年では、多少の吸収阻害があった場合でも、充分身体に必要な鉄 量は摂取できる含有量で、しかも副作用である胃腸障害の起こりにくい製剤になってきていますので、普通にお茶やコーヒーを飲む分には、ほとんど影響は無い と言われます。いずれにしても、食べ物と摂取してはいけない薬剤の場合は、医師や薬剤師が指示をしますので、患者さん自身は神経質にならず、それに従って 服用することが大切です。また、薬剤の中の制酸剤も同じく吸収を阻害しますし、抗生物質の中には相互に吸収を阻害するものもあります。逆に痛風薬と一緒に 服用しますと吸収促進し、血中の鉄分が多くなり、血鉄症になる恐れがありますので、鉄剤の他に服用している薬剤があるときは、医師か薬剤師に話しておくと 良いでしょう。

"  貧血の薬を飲んでいますが、お茶で飲んではいけないと聞きました。何故いけないのでしょうか? "

代表的な抗結核剤について述べますと、リファンピシン(商品名リファジン、リマクタン)は安全性が高く、副作用はあまりありません。肝障害(症状:発疹、発熱、かゆみ、食欲不振、全身倦怠感、吐き気など)がたまに見られるくらいです。 ただ服用中、尿や便、涙、唾液などが赤く着色しますが、薬の色ですので心配ありません。ソフトコンタクトレンズが変色することがありますので、服用中は使用しないで下さい。 イソニアジド(商品名イスコチン、スミフォン)では手足のしびれ感や肝障害が見られることがあります。また、この薬の服用中は、チーズやワイン、ビール、 コーヒー、マグロやカツオ、イワシ、サバ、ブリ、アジなどの魚は控えるようにします。この薬を服用していると、チーズやワイン、ビール、コーヒーなどに含 まれるチラミンという物質が不活性化されにくくなり、その結果、発汗、頭痛、動悸、血圧上昇、悪心、吐き気などが起こることがあります。また、上記の魚に含まれるヒスタミンという物質が代謝されにくくなることがあり、顔面紅潮、頭痛などのアレルギーのような症状が現われることがあります。注射で使われるス トレプトマイシンは、耳が聞こえにくくなったり、平衡感覚に障害をきたすことがあります。高齢者では、腎臓の働きが悪くなることもあります。定期的な聴力 検査や腎臓機能検査が必要です。 エタンブトール(商品名エブトール)は比較的副作用は少ないのですが、視力障害が現われることがあります。新聞を片目ずつ一定の距離で毎朝読むことで、早期発見できますが、定期的な視力検査が必要です。 ピラジナミド(商品名ピラマイド)は重症の場合に使われ、肝障害が見られることがあります。 いずれの抗結核剤にしても副作用の頻度はそれほど高くはありません。発疹や発熱、全身のだるさや食欲不振、頭痛やめまい、手足のしびれ、視力の低下など少しでもおかしいと思ったら、医師に相談して下さい。

" 抗結核剤は長期間(半年~1年)服用しなければならないということですが、副作用が心配です。 "

点耳薬には抗生物質やステロイド剤を含むものがあり、症状によって使い分けられます。また耳垢の除去のための点耳薬もあります。

《点耳の準備》

  1. よく手を洗ってから外耳道の清拭を行います。医師の指導に従って分泌物を十分排除して下さい。
  2. 手のひらで薬瓶を握って薬液を温めます。できるだけ体温に近い状態で使用すると良いでしょう。

冷たい薬液を使用すると「めまい」を起こすことがありますので注意して下さい。

《点耳・耳浴の方法》

  1. 悪い耳を上にして横向きに寝て下さい。 容器の先端が直接耳に触れないようにして点耳薬を6~10滴(医師の指示があればその滴数)を滴下して下さい。 (中耳炎の場合は、点耳後に耳たぶを後ろ上方へ引っ張りながら揺するようにすると外耳道がまっすぐになり、空気の層がなくなり中耳膣まで十分に到達します。鼓膜の穴が小さい場合にはつばを飲み込むようにすると良いでしょう。) 点耳の場合2~3分、耳浴では約10分そのままの姿勢を保って下さい。
  2. 清潔なガーゼ、ティッシュペーパーなどを耳にあてて起き上がり、耳の外へ流れ出た点耳薬を拭き取って下さい。耳垢除去剤の場合は軟らかくなった部分のみ、綿棒で静かに取り除いて下さい。

"  点耳薬の使い方と種類について教えて下さい。"

坐薬は、指の先で肛門に差し込みます。指が1関節入る位まで入れます。軟膏は、指を石鹸でよく洗って、その指先に軟膏を乗せて肛門周辺に塗ります。最近はア ダプター(肛門に塗りやすくするために、軟膏のチューブに装着して使用する器具)も一緒に渡されることが多く、軟膏も使いやすくなりました。坐薬や軟膏に は、痛み、腫れなどを鎮める消炎剤や止血剤、殺菌消毒剤などが入っていますが、最も大きな役割は、薬が肛門の中で溶けて、肛門内を覆うことで、治療の効果 を上げると共に排便の時、便をスムーズに出す潤滑油の働きをすることです。

" 内痔薬と外痔薬があると医師に言われました。坐薬と軟膏を渡されましたが、どのように使うのですか ? "

坐薬は、肛門内に直接挿入し、直腸から薬を吸収して効果をあらわすものです。(口からは絶対に飲まないで下さい)

【使用方法】

1個分を切り離し、上端の合わせ目より引き裂いて薬を取り出して下さい。肛門の奥へ静かに差し込み、ティッシュペーパーなどで肛門をしばらく押さえつけて下さい。

挿入が困難な時は、坐薬の先に水またはオリーブ油などをつけるとよいでしょう。

【保存方法】

体温で溶けるようになっているため、冷所(できれば冷蔵庫)で保存して下さい。もちろん子供の手の届かない所に置きましょう。

【もし薬が肛門から出てしまったら】

挿入後数分ないし10分以内に排便が起これば(坐薬が溶けていなければ)ほとんど無効ですから、もう一度挿入して下さい。

10~15分後の排便の時は、1時間くらい様子をみましょう。

" 坐薬の上手な使用方法を教えて下さい。 "

赤ちゃんや小さいお子さんに解熱剤などで坐薬が、よく処方されます。しかし1回1個では量が多いため、1回1/2個や2/3個などで処方されることがあります。 切って使用する時は、次のことに注意しましょう。坐薬は体温で溶けてしまうため、包装から取り出して切ると手の体温で溶けたり、すべったりしてうまく切れません。切る直前まで冷蔵庫など冷たい所に入れておきます。包装から取り出さずに、包装の上から清潔なナイフやハサミなどで、ななめに切って下さい。

" 坐薬を半分に切る時のコツはありますか?"

塗り方は、どの種類でもたっぷりと塗る必要はありません。患部に薄くのばすような感じで塗れば良いでしょう。塗ったあとは傷口がある患部や医師からの指示以外は、包帯やガーゼなどをあてないほうが良いでしょう。必要以上に包帯やガーゼをあてると、効果が強すぎる薬もあります。もちろん、塗る時は手をきれいに洗ってからにしましょう。また、お風呂上がりなどに塗る習慣をつければ、忘れないし効果的です。

" 軟膏やクリームの塗り方を教えて下さい。 "

湿布の役割は、冷やすことにより血管を収縮させ、血行を緩徐とし、赤みや腫れ、熱を持った炎症部位を抑え、痛みをやわらげるものと、逆に温めることにより血管を拡張して、血行をよくし、炎症および痛みをやわらげる2通りに分かれます。 主 な病気と症状で分けますと、捻挫や打撲のような急性の場合は、冷すのが原則です。ただし、打撲の場合、外傷がある時は手当ての後、周囲を2、3日冷してか ら温湿布に替える方が良いでしょう。 腰痛、肩こり、神経痛、関節リウマチ、腹痛などのような慢性のものは、温湿布にします。これらの症状は、入浴なども 効果的です。ただし、虫垂炎の疑いのある腹痛の場合、温めるのは厳禁です。 その他、骨折はどちらも厳禁です。ただちに、医師の診察を受けることが大切です。

" 湿布薬の温湿布と冷湿布の使い分けが、よくわかりません。症状や部位による使い分けを教えて下さい。"

膵炎の治療は、膵臓の外分泌の働きによって分泌される消化酵素(膵酵素)が活性化されないように、または刺激を受けて大量に分泌されないようにします。そのため、胃液や膵液の分泌を抑える薬が使用されますので、これらの薬剤の反対の作用を有する薬物は併用してはいけないのです。膵臓が悪くて食欲が低下しているところに、胃液と同様な塩酸を含んだ薬剤や胃液を分泌させる薬剤は併用してはいけません。また、脂肪は膵酵素を分泌させるので、膵炎では、低脂肪食になりますが、ビタミンA、D、Eなどは、脂肪に溶けて吸収されるので、脂肪を全く摂らないとこれらのビタミン欠乏症になりますので、必要な程度は脂肪も摂らなければなりません。胃液を抑える薬や肝臓の薬、心臓の薬などの併用は可能ですが、他に薬を服用するときは、医師や薬剤師に伝えるようにして下さい。

" 膵炎の治療薬と併用してはいけない薬はありますか ? "